ルサカの赤い影
2003年。
ザンビアで出会った一枚の絵が、僕の人生に与えた影響は計り知れません。その絵は、ザンビアの首都ルサカの国立博物館にありました。
博物館の一階にある「子供の生活」と題された特設コーナーには、小学校低学年くらいの子供が描いた絵が数点飾られていました。
児童虐待、幼児労働、暴力、貧困。そんな気の重くなるようなテーマの絵がほとんどです。そして、その中に一枚、ひときわ異様な雰囲気をもつ絵がありました。
それは一見するとごく普通の絵でした。伝統的な住居と森、数人の人物が描かれているだけの、何の変哲もない村の景色です。
それでも、やっぱり何かがおかしいんです。
しばらくじっと見ていると、段々その理由が分かってきました。その絵の中の人物は全て一人ひとりがばらばらに配置されていて、みんな後を向いています。そして、その絵の人物の影の色は、全て乱雑な赤で塗りつぶされているんです。
それに気付いた時、僕はその絵を描いた子供の心の深い部分を覗いてしまったような気がしました。そして、頭ではなく、感性で、これは何とかしなければならない。と悟りました。子供達にこんな絵を描かせてはいけないと。
正直なところ、僕は心理学を勉強したわけでもないし、その絵の意味する事が何なのかは、全くもって分かりません。ただ、その時の感情と衝撃は、その後数年が経過しても薄れることはありませんでした。
世界中の子供達が、みんな笑顔で、明るい絵をかけるような未来。
そんな未来を作る事が、僕達の大切な仕事なんじゃないかと思います。
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